第5章
告知広告作成の秘密と投下エリアの選定_1

エリア特性が理解でき、内覧会で伝えるべき内容を厳選し、集客のフックであるイベントコンテンツが出来たら、次は告知活動だ。告知を行わなければ誰も知ることなく終わってしまうので、とても重要なセクションである。厳しい規制の中で、診療を開始していないこの時期にしか許されない広告機会を最大限利用し、素晴らしい告知活動を行うのだ。しかし、医療従事者としての尊厳を著しく損なうような広告は罰則対象になるので注意は必要である。

広告の制作には多くの経験と知識が必要になるので、いくつかのポイントを押さえて進めるとする。

内覧会への告知チラシ制作のポイント

まず、多くの広告主が陥りやすい極端なポイントが二つある。一つ目は伝えたいことが多すぎることだ。これはスーパーのチラシではない為、内覧会で伝えたいことのように要点を絞る必要がある。二つ目はデザインに注力しすぎてシンプルすぎること。どこで得た知識なのか、伝えるべきことが少ないほうが良しとするのも同様だ。バランスよくボリュームを整え、読みやすくしなければ誰にも読まれずにゴミ箱に行き、帰らぬ紙となる。一度は手に取られたのに残念だ。この二つは念頭に置いてチラシ制作に取り掛かる。

次に重要なポイントが、読み手のメリットを考えること。こちらが伝えたい内容ではなく、伝えられたい内容を探るのだ。「内覧会に来たら先生と話が出来ます!」や「治療器具や最新の診療チェアが見れます!」は読んだ時点でのメリットではない。「粗品で歯ブラシ贈呈」もはっきり言って必要ない。では何がメリットなのか?内覧会のイベントコンテンツだ。「私は内覧会に行かなければ損をする」と思うほどのメリットを約束するのだ。これをベネフィットと言う。

歯科医院開業の内覧会告知チラシ

デザインで重要なことは見た目よりも伝えるポイント

 

チラシにはメリットをバランスよく盛り込む

伝えるべきことはベネフィット(メリットの約束)

歯科医院の内覧会という理由だけで足を運ぼうとするのは関係者くらいで、ほとんどの人がイベントコンテンツに対して動いてくれるのである。今回の内覧会がどれだけ楽しいか、貴重な土日の時間を割いてまで行く理由があるか、内覧会に行く理由を教えてあげるのである。行きつけの歯科医院があるのにわざわざ新入りの歯科医院を見に行く理由、それがイベントコンテンツだ。このイベントコンテンツのお知らせと同時に、医院の特徴やプロフィールを掲載していく。

どのような特徴があって、その特徴はどういったメリットを読み手に約束するのか。医院の中はどんな空間なのか視覚にも訴求するのだ。読み手の左脳と右脳を刺激し「行きたい」と思わせることが告知チラシの役割だ。こればかりは多くの経験と知識で精度を徐々に高める必要があるのだが、先に述べた陥りがちな2つのポイントと、メリットを伝えることを考えながら制作することで、大幅に改善されるはずである。

内覧会チラシ制作の心理的刺激の秘密

心理的な刺激をする秘密を一つだけ紹介するとすれば、それは写真だ。写真のなかでも写真によって目に止まるかの比率は異なるが、写真が載っている広告は、載っていない広告よりも3割ほど上昇すると言われている。そこから精度が高い写真を選んでいくと良いだろう。ではどこに掲載するべきなのか。裏面に小さい枠で院長の写真が載っていても、誰でも見慣れていて興味もないので効果はゼロに等しい。しかし写真を有効に配置することで、効果が変わることは間違いないので、試す価値は十分にあるはずである。
内覧会に足を運びたくなる心理的戦略

チラシ制作における心理的作用のコツ

さて、チラシのデザインが完成したら次はどこで、誰に、どのように届けるかを選定する。限られた予算で失敗しないためにもポイントを抑えて効果的に配布しなければならない。

内覧会の告知に適した手法は、新聞折込かポスティングかサンプリング配布(手配り)をバランスよく併用すること。間違っても電車のつり革広告には掲載するべきではない。
エリア調査によって分かっている人口分布をもとにしながら医院を中心に配布するのだが、気をつけたいのが幹線道路や線路によって生活動線が明らかに異なる場合だ。完全に背を向けて生活をしている人にチラシを投下しても効果は薄い。ここで第2章のマーケティング調査の内容が無駄なコストを避ける手助けをしてくれるのだ。

目次リンク

 

第1章
歯科内覧会を本質から理解する

第2章
マーケティング調査
第3章
伝えるべきコトを厳選し順序立てる
第4章
コンテンツアイデアの泉

第5章
告知広告作成の秘密と投下エリアの選定_2
第6章
自院スタッフの内覧会接遇研修とオペレーション
第7章
当日運営の掟と不測事態の対応
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